专利摘要:
摺動装置は、すべり軸受けと、潤滑油の存在下で回転可能でありかつ該すべり軸受けと摺動可能な接触をする軸からなる。該すべり軸受けは、該軸の表面硬さよりも小さい表面硬さを有する。また、該すべり軸受けは0.2μm以下の表面粗さを有し、該軸は0.05μm以下の表面粗さを有する。
公开号:JP2011506855A
申请号:JP2010522883
申请日:2007-12-28
公开日:2011-03-03
发明作者:グリオッタ,カルメロ;デュフォー,ベンジャミン;パグリオ,アラン;毅 樋口;豊 馬渕
申请人:日産自動車株式会社;
IPC主号:F16C33-10
专利说明:

[0001] 本発明は、潤滑油の存在下で軸と軸受けが摺動可能な接触をする摺動装置に関する。]
背景技術

[0002] 摺動装置は、自動車用レシプロエンジンのクランクシャフトが作動される条件のごとき高負荷かつ長寿命を要する環境の下で多く使用されてきた。摺動抵抗を低減することで摺動装置全体の仕事効率を高めることが可能であるので、仕事効率を高める目的でこれまでに種々の努力がなされてきた。潤滑油の存在下で摺動が行われる摺動装置においては、摺動抵抗を低減する一方策は表面粗さを小さくすることであり、これは現在も継続的に続けられている。最近は、加工技術の発展により面を非常に小さな面粗さに加工することが可能となった。]
[0003] 特許文献1及び特許文献2に開示されたごとく、例えば、摩擦力の低減や耐摩耗性の向上の目的で、表面膜や材質の変更に伴い、表面の平均粗さを小さくすることが提案されている。上記特許文献2においては、表面粗さRaは0.03μm 以下であることが提案されている。]
[0004] 高負荷環境下で摺動する摺動装置においては、耐焼付け性を得る観点から、一方の摺動面の材質及び硬さが相対する摺動面のそれらと異なっており、相対する摺動面よりも硬さが小さい方の摺動面の表面粗さが相対する摺動面より大きいことが見受けられる。]
[0005] 例えば、自動車用レシプロエンジンのクランクシャフトにおいては、軸は炭素鋼で作られており0.1〜0.03μmの表面粗さRaに加工されているのに対し、ブッシングはビスマス、錫、銀、鉛、ニッケル等、またはアルミ、錫、鉛、銅及びまたはニッケルからなる合金、またはポリマーからなるブッシングメタルを有しており、0.3〜0.4μm程度の比較的大きい初期表面粗さRaを有している。他方、産業界でより多く用いられるので、RqよりもRaが選択される。この場合、ブッシングメタルは作動中になじみが進み、ある程度平滑化する。多くの場合、摺動抵抗を低減するために軸の表面粗さを小さくする努力がなされる一方で、ブッシング側の粗さに関してはほとんど配慮されてこなかった。かような状況にもかかわらず、ある程度の摺動抵抗低減効果は得られてきた。これは、ブッシングメタルの粗さが大きい場合にも、硬さが小さい上記ブッシングメタルのなじみまたは慣らし(接触部の表面粗さが初期摺動によって小さくなることを意味する)が進んだためと考えられる。]
先行技術

[0006] 特開2004−28276号公報
特開2004−138128号公報]
発明が解決しようとする課題

[0007] 上記状況に鑑みて、本発明者等は、軸の比較的硬い材料とすべりブッシングの比較的軟らかい材料の組み合わせからなる多くの摺動装置について、軸の表面粗さと摺動装置の摩擦トルクの関係を詳細に調査した。その調査の結果、軸の表面粗さを十分に小さくした場合には、平滑な表面にすべく軸の表面粗さを小さくしても摩擦トルクが低減せずむしろ上昇することを見出した。これは、軸の表面粗さと測定された摩擦トルクの関係を示す図1に示されている。] 図1
[0008] また、本発明者等は上記評価結果につき更なる調査を行った。その調査の結果、下記の事実が判った。すなわち、従来の軟質なブッシングメタルは容易になじみまた慣らし運転がなされそのブッシングメタルの表面が平滑化することが一般的である。しかしながら、軸の硬質摺動面が十分平滑化するよう加工されもって表面粗さがある特定粗さよりも小さい場合、相手材のなじみまたは慣らしが著しく遅くなるか、または全くなじまない現象がみられる。これより、摩擦トルクが低減しない上記現象が、ブッシングの表面粗さが大きいままで摺動している事実に基づくことが分かった。]
[0009] 上記評価結果をもとに、軸およびブッシングの二乗平均平方根合成粗さに対する摩擦トルクの傾向を調べた。この調査の結果、該合成粗さと測定された摩擦トルクの関係を示した図2に見るごとく、摩擦トルクは軸とブッシングの両摺動面の合成粗さが小さくなると摩擦トルクも小さくなる傾向であることが分かった。上記合成粗さは下式により表される。] 図2
[0010] ]
[0011] ここで、Rq(s)とRq(b)はそれぞれ軸の表面粗さとブッシングの表面粗さを示す。測定において、軸は2000r.p.m.及び600r.p.m.で回転される。かように、軸の表面粗さが極めて小さい条件化では、比較的大きな表面粗さを有する軸の表面粗さが、すべりブッシングを含む摺動装置の系全体の摩擦トルクに非常に大きな影響を及ぼすことが確認された。それ故、比較的硬質な軸の表面のみを平滑化することは摺動抵抗を低減する対策としては適切ではない。]
[0012] 上記に鑑みて、本発明者等は、摺動装置の摺動抵抗を低減するために、表面粗さが小さくなるように変化させて摺動抵抗を測定する実験の結果、軸の表面粗さがある値よりも小さくなると摩擦トルクが増加するという特異現象を見出した。]
[0013] さらに、かような特異現象を起す軸の表面粗さ(算術平均粗さ)Raが0.05μm以下であることが明らかになった。かような表面粗さでは、軟質のブッシング(相手部材)のなじみまたは慣らしが例外なく進行せず、ブッシングの表面粗さが初期状態のままとなることがほとんどである。]
[0014] かような知見に基づいて、軸及びすべりブッシングの表面粗さを軸及びすべりブッシングの硬さに応じて設定することにより、すべり軸受けを含む摺動装置の摺動抵抗が大巾に低減することが可能であることが確認される。これにより、本発明の原理に到達する。]
[0015] それ故、本発明の目的は、従来技術において遭遇した上記問題点を克服する改良された摺動装置を提供することである。]
[0016] 本発明のもうひとつの目的は、潤滑剤の存在の下で軸がすべり軸受け(またはすべりブッシング)と摺動可能に接触している、改良された摺動装置を提供することである。その摺動装置は軸の摺動面とブッシングの摺動面の特別の組み合わせを含むものであり、それにより軸の摺動面の表面粗さが非常に小さい場合でも、ブッシングの摺動面よりも硬質な軸の摺動面の表面粗さに応じた摺動抵抗低減効果を発揮することができる。]
課題を解決するための手段

[0017] 本発明によると、摺動装置は、すべり軸受け(または、すべりブッシング)と、潤滑油の存在下で回転可能でありかつ該すべり軸受けと摺動可能な接触をする軸からなる。該摺動軸受けは、軸の表面硬さよりも小さい表面硬さを有する。]
[0018] さらに、該すべり軸受けは、0.2μm以下の表面粗さを有し、該軸は0.05μm以下の表面粗さを有する。]
図面の簡単な説明

[0019] 図1は、本発明に関し本発明者等によって行われた研究で得られた、軸の表面粗さと測定された摩擦トルクの関係を示す表である。
図2は、本発明に関し本発明者等によって行われた研究で得られた、軸とすべり軸受けの合成粗さと測定された摩擦トルクの関係を示す表である。
図3は、測定された摩擦トルクと、軸の表面粗さと軸受けの表面粗さの組み合わせの関係を示す表である。
図4は、本発明による摺動装置の一実施例の略断面図である。] 図1 図2 図3 図4
[0020] 本発明によると、図4に示されたごとく、摺動装置10は、すべり軸受け(または、すべりブッシング)12と、潤滑油16の存在下で回転可能でありかつ該すべり軸受けと摺動可能な接触をする軸14からなる。該すべり軸受けは、軸の表面硬さよりも小さい表面硬さを有する。該すべり軸受けは、0.2μm以下の表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有し、該軸は0.05μm以下の表面粗さを有する。この算術平均粗さは、JIS (日本工業規格)B 0601 またはISO 4287に基づくものである。]
[0021] 好ましくは、図4に示されたごとく、軸受け12は潤滑油16の存在下で軸と摺動可能な接触をする軸受けメタル(ブッシングメタル)18を有する。このブッシングメタルは0.1μm未満の表面粗さRaを有する。] 図4
[0022] また、もうひとつの実施例によると、ブッシングメタルはその表面に潤滑油を保持するための複数の溝または窪み(ピット)のごとき複数の微細な凹部を形成しており、軸と摺動可能な接触をする平坦な表面部を残している。この平滑な表面部は、0.2μm以下の表面粗さRaを有している。]
[0023] さらに、もうひとつの実施例によると、該軸は鋳鉄または炭素鋼からなるものである。]
[0024] さらに、該軸は好ましくはその表面に、潤滑油を保持するための複数の溝または窪み(ピット) のごとき複数の微細な凹部を形成している。すべり軸受けに過度の荷重が加えられる状況下やすべり軸受けの摺動中に潤滑油の供給量が一時的に減少する場合、摩擦減少効果がさらに増加し、かつ焼き付きのリスクを回避することができる。]
[0025] さらに、好ましくは4.5原子%未満(より好ましくは、1原子%以下)の水素含有量を有する炭素薄膜を、すべり軸受けと軸の少なくとも一方の表面に形成する。低水素含有量の場合、軸の表面に形成された微細なピットの上記効果が阻害されず、むしろ増大される。]
[0026] 本発明の原理は、好ましくは、レシプロエンジンのメインジャーナル・ブッシング、コンロッドの軸受け、ピストンピンの軸受け、またはカムシャフトのジャーナルのための軸受けを含む摺動装置に適用することができ、それによりとくに高い有益な効果を奏することができる。]
[0027] 実施例
本発明については、比較例との比較の下に下記の実施例を参照してより容易に理解が進むであろう。しかしながら、これらの実施例は発明を説明するものであり、発明の範囲を限定するために解釈されるものではない。]
[0028] 比較例1
エンジン摩擦測定試験が、ガソリン燃料使用エンジン用エンジンオイル(5W-30 の粘度を有する)を用いかつ電動機で駆動される内燃機関(排気量2,500ccの4気筒直列エンジン)で行われた。]
[0029] エンジンは、複数のメインジャーナル・ブッシングに回転可能に支持された複数のメインジャーナルおよび複数のコンロッド・ハーフブッシングに回転可能に支持された複数のクランクピンを有していた。各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.07μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングは、メインジャーナル・ブッシングメタルを有し、一方各コンロッド・ハーフブッシングは、コンロッド・ハーフブッシングメタルを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルには、潤滑油を保持するための複数の溝が形成され、かつそれらはアルミ合金でできている。さらに、各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、0.24μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0030] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは2.5Nm であった。]
[0031] 比較例2
比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.05μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、アルミ合金でできており、0.24μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0032] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは2.2Nm であり、比較例1に比べて若干のトルク低減効果が見られた。
比較例3
比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.04μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、アルミ合金でできており、0.24μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0033] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは2.4Nm であり、これは比較例1におけるトルクとほぼ同等であり比較例2におけるトルクよりも大きかった。
比較例4
比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.015μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、アルミ合金でできており、0.24μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0034] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは2.4Nm であり、これは比較例3におけるトルクと同等であった。
比較例5
比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.07μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、アルミ合金でできており、0.15μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0035] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは2.4Nm であり、これは比較例1におけるトルクとほぼ同等であった。]
[0036] 比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.04μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、アルミ合金でできており、0.15μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0037] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは1.9Nm であり、比較例3に比べてクランクシャフトのジャーナルの表面粗さを小さくすることによるトルク低減効果が見られた。]
[0038] 比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.015μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、アルミ合金でできており、0.15μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0039] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは1.6Nm であり、実施例1に比べると更なる摩擦トルク低減効果を示しかつ比較例4に比べて大巾な摩擦トルク低減効果を示した。]
[0040] 比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.015μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、鉛合金でできており、0.07μmの表面粗さRaと40Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0041] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは1.3Nm であり、実施例2に比べると更なる摩擦トルク低減効果を示した。]
[0042] 比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルまたは各クランクピンは、0.015μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、ビスマス合金でできており、0.07μmの表面粗さRaと45Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0043] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは1.3Nm であり、実施例3と同じ摩擦トルク低減効果を示した。]
[0044] 比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンはそれらの表面に複数のピットが形成されていた。各ピットは10μmの平均深さ、100μmの平均巾及び300μmの平均長さを有した。それらのピットの合計表面積は、各各メインジャーナルおよび各クランクピンの全表面積の5%を占めた。各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.015μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、アルミ合金でできており、0.07μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0045] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは1.0Nm であり、実施例4に比べて更なる摩擦トルク低減効果を示した。さらに、この実施例及び比較例4のエンジンにつき、潤滑油の供給を停止して焼き付きが起るまでの時間を測定した。その結果、この実施例のエンジンでは、焼き付きが起こるまでに420秒を要した。また、比較例4のエンジンでは、焼き付きが起こるまでに28秒を要した。]
[0046] 比較例1におけると同じエンジン摩擦測定試験が、比較例1におけると同じエンジンオイルを用いて比較例1におけると同じ内燃機関で行われた。このエンジンにおいて、各メインジャーナルおよび各クランクピンは、0.015μmの表面粗さ(算術平均粗さ)Raを有した。1mの厚さと0.1原子%以下の水素含有量を有する硬質炭素(ダイヤモンドライク・カーボン)薄膜が、アークイオン・プレーティング法により各メインジャーナルおよび各クランクピンに形成された。各メインジャーナル・ブッシングメタル及び各コンロッド・ハーフブッシングメタルは、アルミ合金でできており、0.07μmの表面粗さRaと95Hvの表面硬さ(ビッカース硬さ)を有した。]
[0047] このエンジン摩擦測定試験において、トルクメーターにより摩擦トルクが測定された。試験の結果として、測定されたトルクは0.8Nm であり、実施例4に比べて大巾なトルク低減効果を示した。]
[0048] 軸及び軸受けの構造上の仕様及び比較例1から5及び実施例1から6の実験結果は、表1に示されている。また、比較例1から5及び実施例1から3に関して、測定された摩擦トルクと、軸の表面粗さと軸受けの表面粗さの組み合わせの関係が、図3に示されている。] 図3
[0049] ]
実施例

[0050] 本発明は特定の実施態様及び実施例を参照して記載されているが、本発明は前記実施態様及び実施例に限定されるものではない。前記実施態様及び実施例の改変及び変更は、上記教示に照らして当業者により考えられるであろう。本発明の範囲は次の特許請求の範囲を参照して画定される。]
权利要求:

請求項1
すべり軸受けと、潤滑油の存在下で回転可能かつ該すべり軸受けと摺動可能な接触をする軸からなる、摺動装置において、該すべり軸受けは、該軸の表面硬さよりも小さい表面硬さを有し、さらに該すべり軸受けが0.2μm以下の表面粗さを有し、該軸が0.05μm以下の表面粗さを有する、摺動装置。
請求項2
該軸受けが、該軸と摺動可能に接触し、かつ0.1μm未満の表面粗さRaを有するブッシングメタルを有する、請求項1に記載の摺動装置。
請求項3
該軸受けが、0.05μm以下の表面粗さを有する該軸と摺動可能な接触をしかつ0.2μm以下の表面粗さを有する平坦な表面部を残して、表面に複数の微細な凹部が形成されるブッシングメタルを有する、請求項1に記載の摺動装置。
請求項4
該軸が、鋳鉄及び炭素鋼の一方よりなる、請求項1に記載の摺動装置。
請求項5
該軸が、その表面に潤滑油を保持するための複数の微細なピットを形成してなる、請求項1に記載の摺動装置。
請求項6
1原子%以下の水素含有量を有する硬質炭素薄膜が、該すべり軸受け及び該軸の少なくとも一方の上に形成されている、請求項1に記載の摺動装置。
請求項7
すべり軸受けが、レシプロエンジンのメインジャーナル・ブッシング、クランクピンの軸受け、ピストンピンのための軸受け、及びカムシャフトのジャーナルのための軸受けからなる群より選ばれたひとつである、請求項1に記載の摺動装置。
請求項8
該軸受けは、その仕上げが表面に直接施されたか、またはその表面層の形成以前に形成された前層に施された軸受けメタルを有する、請求項1に記載の摺動装置。
請求項9
該摺動装置が、原動機推進体の群に適用される、請求項1に記載の摺動装置。
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